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2025.12.15

社労士のひとり言 29

社労士の北山に障害年金の受給の再開に関する相談があった。「こんにちは。橋口と申します。あの、私は以前10年程前に障害年金を請求して2級の障害年金を受給していました。2年程前に診断書を提出したら、等級が非該当であるとして支給停止となりました。当時は、症状が安定していたので、仕方がないと思っていました。しかし最近体調が悪くなり、就労も休職中で、できていません。再度、障害年金を受給できる方法はないでしょうか。」と電話での初回の相談があった。
「そうですか。まず現在のご年齢を伺ってもよろしいでしょうか。傷病名についても教えて頂いてよろしいでしょうか?確認ですが、2級の障害年金を受給していて、年金の受給が支給停止になったという事ですね。」と北山は必要な事を確認していった。
「現在50歳です。障害年金の請求をしたのは、40歳の時でした。病名は、うつ病です。2級の障害基礎年金で、2ヶ月で13万以上受給していました。」
「なるほど。うつ病ですか。休職中という事ですが、いつからですか?」
「フルタイムで就労していましたが、3ヶ月前から休職しています。先週、医師とも話ましたが、まだ、体調が悪く復帰できるめどがたっていません。」と橋口は現在の状況を説明した。
「そうですか。現状では、就労するのが厳しいという事ですね。支給停止事由消滅届というのを、医師に診断書を記載してもらって、年金機構に提出し、審査の上で、等級に該当すれば再度、障害年金を受給できます。うーん。そうですね。担当の医師にも現在の症状が、以前よりも重いと判断できるかどうか相談してみてください。また、よろしかったら、一度お会いして詳しい話をお聞かせください。」と北山は橋口に伝えた。
同じような制度として、等級を上げる事を申し出る。額改定請求という制度もあるが、今回は障害年金の支給が停止されているので、額改定請求ではなく、支給停止事由消滅届という事になる。額改定請求の場合は、原則として前回の裁定より1年以上経過している必要があるが、支給停止消滅事由届にはそのような制限はない。
 
1月ほど経過して、北山の事務所に、橋口が再度相談に訪れた。
「こんにちは、先日、お電話で相談させていただいた橋口です。今日はよろしくお願いします。」
「こんにちは。社労士の北山です。よろしくお願いします。」
「先日、通院しているメンタルクリニックで先生とも話ましたが、先生も、症状が以前より悪化していると思うので、障害年金の診断書を書いてもいいとの事でした。」と橋口は、まず、医師の理解が得られた事を報告した。
「そうですか。では、再度、障害年金の支給の再開に向けて進めていくという事でいいでしょうか。」
「ええ。よろしくお願いします。」
「では、私からも先生に診断書作成の依頼文を書きますので、診断書と一緒に渡してください。」と北山は精神の診断書を、書類のBOXから取り出しながらいった。
「あの、支給停止事由消滅届をだすと、いつぐらいから、障害年金が再開されるのですか?」
「提出してから、3ヶ月程度、審査に時間がかかります。認定されれば、支給は提出月の翌月分からとなります。」と北山は答える。「じゃあ、順調にいって4・5カ月後ですね。」
「診断書が来月中にできれば、そのくらいになりますね。」と北山は相槌を打った。
その後、日常生活について、聞き取りをしながら文章にまとめる準備を2人でした。「じゃあ、これと診断書を医師にお渡しすればいいのですね。」「そうです。お願いします。ご不安な点があれば、ご遠慮なくご連絡ください。」と北山は橋口に伝えた。
 
数週間後、診断書ができたと、橋口から連絡があり、診断書が北山の元に郵送されてきた。早速、北山が、診断書を見たところ、2級に該当するかどうか微妙な内容になっていた。北山は難しいかも?と思いながら、年金事務所に、支給停止事由消滅届を提出した。
その後、1月程して、日本年金機構から「日常生活及び就労に関する状況について」照会があった。年金事務所から連絡を受けた時、北山は、実はチャンスがあるという事だろうと前向きにとらえた。内容は、前回、依頼人と打ち合わせで聞き取った事を主に記載していけばいい。但し、もう少し、外出等に関してご本人に確認しておこうと北山は考えた。
翌日、北山は橋口に電話して、再度聞き取りをした。「年金機構から、橋口様の日常生活についての照会がありました。文章で答える必要があります。そこで、再度、詳しく伺いたいのですが、橋口様は、外出は制限なくできていらっしゃいますか?」
「いいえ。まったく体調が当日にならないと分からないので、なるべく予定を入れないようにしています。どうしても、必要な時は、前日からものすごく気を使って、体調を整え、外出できるように準備しています。初めての場所に行く場合や電車の乗り継ぎが、以前より難しく感じます。最近は、何度も確認し、必要な情報を紙でもって行きます。以前はそんなに苦労しなかったのにと思います。」
「なるほど。そうですか。その点も記載します。その他、一人で、上手く対処できない点はありますか。」
「そうですね。家にいて、例えば、宅急便等の受け取りがストレスになります。対応できない時もあります。なぜ、出来ないかは上手く説明できませんが・・・・」
「そうですか。その点も記載していきますね。後は前回、伺った内容をまとめます。」「よろしくお願いします。」と橋口はいい、聞き取りは終わった。次の日、北山は、出来上がった書類を年金事務所に提出に行った。
数か月後、橋口から北山に「無事、2級になり、支給が再開されると通知がきました。先生、この度は、ありがとうございました。」と連絡があった。
「よかったですね。これを機に、良い方向にいくといいですね。」と北山は無事、障害年金の支給が再開の知らせをうけて、ほっとした。
 
 
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