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お知らせ
2025.03.17
ライトノベル25
社労士の小山に、中学からの同級生の翔太から「急にごめんだけど・・・今夜相談したい事があるから会えない?」とスマホに急に連絡があった。「いいよ。今夜は予定ないから、大丈夫だよ。」と小山は返事した。夕方、小山が待ち合わせ場所の居酒屋にいくと、翔太が先にきていた。「急に呼び足してごめん。聞いてほしい話があって」「よう。久しぶりだね。何かあったの?」と小山は座りながらいった。
「うーん。実はさ・・・今日、勤め先の建設会社の社長に、明日からもう来なくていいといわれたんだ。辞めさせられるなら、もう、こちらから辞めますと言おうかなとも思う。俺はどうしたらいいと思う?」と翔太は切り出した。
「えーと・・・・。まず、なぜ急に、そんな、明日から来なくていいとかいう話になったの?確か、翔太は、今の会社に勤めて5年くらいになるよね。やっと資格をとって念願の建築士になれたのに。」と小山は驚いた。小山は、翔太が資格をとって就職したので、皆でお祝いをしたので、覚えていた。
「そうだね。今年で勤め初めて、もう、5年になるね。うーん。元々、社長とは、自分と考え方が合わないところがあったと思う。そして、今日、ある依頼の件で、今後の方針について社長と話し合っている時に、いろいろと、納得いかない点を反対したら、社長と口論になって、最終的にそういわれた。要するに、いろんな事が積み重なって今日、爆発したという事だと思う。」と翔太は話しはじめた。
「そっか。うーん。まず、明日からこなくていいは、社長が感情的になって言った事で、解雇の意思表示とはいえないかもね。一反、冷静になってよく考えようという意味かもしれない。」と小山はいった。「えー。そうなのかなあ?そうとは思えないなあ。」と翔太は怪訝そうな表情をした。
「まあ、社長の本音はともかく、自分から退職届をだすと、自己都合での退職になり、退職後に受給できる失業給付でも不利になるよ。また、一度、自分から退職届をだして自己都合での退職となると、後から、退職に納得いかないと主張しても何もできないよ。そもそも、解雇はそんなに簡単にはできないはずだし、解雇だとしても、最低限、1月分の解雇予告手当はもらうべきだよ。だから、兎に角、早まって退職届をだしたらいけないよ。ここは、まず、翔太が、自分から辞めるという前に、社長ともう一度、きちんと話してみるべきだと思うよ。」と小山は、このまま、自ら退職届をだして、自己都合退職となった場合の不利な点を説明し、退職届を出す事を早まるべきではない理由を説明した。
「そっか。うーん。何か納得いかないけど、一度、自分から退職届をだしたら、明日からこなくていいは解雇の意思表示ではなかった、僕が自ら退職届をだした。と社長から主張されるという事?」と翔太は納得いかないという表情をした。
「まあ、そういう事だよ。そう主張される可能性が高いと思う。そもそも、解雇は、余程、勤怠が不良であるとか、何度も指導をしたが、ミスが改善しなかったとかのそれ相応の事情がないと有効にならないよ。兎に角、翔太の気持ちが退職に傾いていても、安易に自分から辞めるといったら絶対にダメだよ。」と片山はいった。
「そうか。そう考えると、なんか、自分から辞めるというのはバカバカしいね。わかった。明日、社長に電話して、もう一度話してみるわ。」「でも、やっぱり、今の会社は辞める事になると思う。ここまで、社長と考え方が合わないのがはっきりしたら、もう、居づらいよ。でも辞めるにしても、今後も、何があるか分からないので、落ち着いて、喧嘩別れでなく、きちんと社長と話をしないといけないね。」と翔太は考えながらいった。
「そうだね。辞めるにしても、もう一度、社長とちゃんと話しあって、喧嘩別れは避けた方がいいよ。翔太ならどこにいっても、大丈夫だよ。よし、今夜は翔太の新たな門出を祝おうか。」と片山は翔太を励ました。「ありがとう。持つべきものは頼りになる友だね。うん。よし。とりあえず、乾杯しようか。」とその後は2人で盛り上がった。
後日、翔太から片山に連絡があった。「あの後、社長と、もう一度、話し合った結果、給与3ヶ月分の手当で、合意退職する事になったよ。まあ、退職金替わりかな。片山に相談してよかったよ。あのまま自分から辞めていたら、何ももらえなかったし、冷静になれて社長ともう一度話せてよかったよ。社長ももう一度話せてよかった。今後も応援しているって言ってくれたよ。いろいろ考えたけど、すぐに就職せずに、これを機会に1か月程、ヨーロッパの建築物を見に行こうと思う。それも将来の自分への投資だと思ってさ。」
「そっか。働いている時にはできない経験をするのも大事だね。翔太なら大丈夫だよ。ヨーロッパから戻ってきたら、また、話を聞かせてよ。」と片山はいった。
まあ、資格のある専門家であっても、個人の事務所に勤めるという事は、社長しだいなのが現実である。片山には現在、自分の事務所に来てもらっているスタッフが2名いるが、彼らには自分はどう見えているのだろうかと、ふと片山は考えた。
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