NEWS
お知らせ
2024.09.30
肺がんや肝臓がんの場合、どの診断書を使用するか
今回は、肺がんや肝臓がんの場合、どの診断書を提出するかについて記載します。障害年金では、病名で使用する診断書が決まっているわけではありません。「現在の障害の状態を最もよくあらわすことのできる診断書」を選択しましょう。
肺がんや肝臓がんの場合は、 「呼吸器」や「肝疾患の障害」での診断書を提出する場合と「その他」の診断書で提出する場合があります。
肺がんの場合、在宅酸素療法をしている。血液中の酸素濃度が低い等の場合は、「呼吸器」の診断書を提出します。
しかし、検査結果は、それほど悪くはないが、抗がん剤の副作用や、再発・転移等の影響で、倦怠感がつよい、身体が衰弱しているというような場合は、「その他」の診断書を提出します。どちらの診断書を提出するかは、個別の症状を考慮して検討しましょう。
さて、「その他の診断書」で重要になる一般状態区分ですが、
ア 無症状で社会活動ができ、制約をうける事なく、発症前と同等に振る舞えるもの
イ 軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業はできるもの 例えば、軽い家事、事務など
ウ 歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の50%以上は起居しているもの
エ 身のまわりのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中の50%以上は就床しており、自力では屋外への外出等がほぼ不可能となったもの
オ 身のまわりのこともできず、常に介助を必要とし、終日就床を強いられ、活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られるもの
3級 一般状態区分 ウ又はイ
2級 一般状態区分 エ又はウ
1級 一般状態区分 オに該当するものとされています。
アでは、認定されない可能性が高いです。
最終的に、等級を決定するには、一般状態区分の評価と、その根拠が重要になります。ヘモグロビン濃度・体重の減少・腫瘍マーカー等の数値を、記載してもらいましょう。治療の内容・経過も、きちんと記載してもらいましょう。
また自覚症状がどれだけ出ているかも重要です。吐き気、嘔吐、下痢、食欲不振、味覚喪失、動悸、息切れ、貧血、倦怠感、発熱、痛み、易感染症、手足のしびれ、感覚鈍麻など、癌による(または薬の副作用による)症状がある場合は、すべて記入してもらいましょう。また、癌が複数の部位に転移している場合は、転移しているという事実も記載してもらいましょう。
病歴・就労等申立書には、診断書の内容を補完する情報が記載されていなければなりません。
例えば、一般状態区分が、エならば、どういう状況で、しばしば介助が必要なのか、日中の50%以上は就床しており、自力では屋外への外出等がほぼ不可能といえるのかが、客観的に伝わる必要があります。単に、外出も困難、家事も困難と記載するのではなく、倦怠感がつよく、数時間軽作業をしても、寝込んでしまう。家族に手伝ってもらう必要がある等、具体的にイメージできるように、病歴就労状況等申立書を記載していきましょう。
そして、診断書を、もう一度ご自身で確認しましょう。日付、自覚症状、他覚所見、予後など、診断書の内容に抜けがないかを丁寧に確認しましょう。