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お知らせ
2023.12.04
カスタマーハラスメントについて
今回はカスタマーハラスメントについて記載します。
令和5年9月1日からカスタマーハラスメントによる精神疾患が発生した場合、一定の要件に該当すれば、労災と認定されるようになりました。
参照 心理的負荷による精神障害の労災認定基準の改正概要
顧客などに対応する従業員にとってカスハラは、身体的、精神的に大きなストレスです。
従業員がカスハラ被害を受けているにもかかわらず放置していると、従業員はもちろん、企業にとっても以下のような支障や損害が生じるリスクがあります。
- 従業員の精神的・健康面での悪影響
- 従業員の休職、退職
- 現場に居合わせた顧客・他の従業員への悪影響
- 従業員が定着しない 採用で不利になる
- 企業として対応に必要な金銭的・時間的負担
企業は、従業員が安全、健康に働くことができるよう配慮する義務(安全配慮義務)を負っています(労働契約法第5条)。そのため、カスハラに対して適切な措置を講じなければ、被害を受けた従業員から責任を追及される可能性があります。
校長が保護者からの理不尽な言動を受けていた担当教諭を守らず、一方的に謝罪を要求したこと等が、パワハラにあたるとして損害賠償された事案もあります。(甲府地裁2018年11月13日判決)
このように、カスタマーハラスメントに過った対応をとると、企業としても責任を問われる事もあります。
では企業としてカスタマーハラスメントに対してどのような対応をしていけばいいのでしょうか?
まず、カスタマーハラスメントの定義は「顧客等からのクレーム・言動のうち、当該クレーム・言動の要求の内容の妥当性に照らして、当該要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当なものであって、当該手段・態様により、労働者の就業環境が害されるもの」とされています。
正当なクレームかカスタマーハラスメントであるかは、個別の状況により総合的に判断される事になります。
現代では「SNSに投稿するぞ。」というのも強迫になりえます。また、顧客がSNSで従業員のプライバシーを晒す等の問題もあります。
日頃の対策として、企業としてカスタマーハラスメントから労働者を守る姿勢を明確に示す必要があります。
さらに、相談体制や対応マニュアルを整えて従業員に周知しましょう。
研修や朝礼等で日頃からカスタマーハラスメントの事例や対応のノウハウを共有して、カスタマーハラスメントに対する対応力を高めましょう。
カスタマーハラスメントの報告があったら、まずは、事実の確認をしましょう。正当なクレームである可能性もあります。従業員を守るために、悪質なケースには、一人で対応させない事、悪質なケースは警察に相談する等毅然とした対応とする事も重要です。
参照 カスタマーハラスメント対策企業マニュアルより