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お知らせ
2025.06.23
ライトノベル
社労士試験の受験予備校で、初めて講師をする事になった社労士の中村は、初回の講義を迎えて少し、ドキドキしていた。初回にどんな事を伝えようか?担当する講座は、受験経験者を対象にした講座ではなく初受験者も対象としている講座なので、 いろいろ考えて、中村は講義のはじめに以下のような話をする事にした。
「この講座を受験される方は、初めて社労士試験をうける方も大勢いらっしゃり、健康保険・雇用保険?何の事かよくわからない、給与明細の意味が分からないという方も多いと思います。そんな中でも、社労士試験は覚えないといけない事が膨大な試験です。これから、勉強を進めていく上で,一つ大事なのは、社労士試験はやるべき科目数が多いですが、1つの科目を完璧にしてから次の科目の勉強をするというのではなく、まずは、まんべんなく勉強を進めていく事を心がけてください。残念ながら、最初に覚えた事は次の科目を勉強すると忘れてしまいます。何度も繰り返し勉強する必要があります。また、過去問等の問題演習は、早いうちから解いて感覚を身に着けましょう。」
「選択式の足切りで毎年、合計では点数は足りていたのに1か所だけで不合格になる方が大勢います。そういう面で選択式には、運の要素もありますが、ほぼ毎年救済があります。知識はなくても、文章の意味を考えたら解ける問題もあります。山勘ではなく、最後まで諦めずに何とか、2つは当てるように頑張りましょう。」
社労士の試験は労働基準法・労働安全衛生法 ・労働者災害補償保険法・雇用保険法 ・
労働保険料徴収法 ・労働に関する一般常識 ・健康保険法・国民年金法 ・厚生年金保険法
社会保険に関する一般常識が試験科目となっており、労働基準法から勉強していくことになっている。「さて、まずは、労働基準法から勉強がはじまります。労基法や労災は、働いていれば。具体的にイメージできるので、勉強は楽しいです。しかし、健康保険や年金の科目になってくると、分かりずらいです・・・・」と中村は続ける。
「まず、労働基準法ですが、企業が労働基準法に違反したらどうなるのでしょうか?全ての労働基準法違反が、罰則や付加金の対象になるわけではありません。そのような視点からも考えていきましょう。」
「労災は、まず、どのような場合が労働災害にあたるかどうかを考えていきます。職場で起きた事のすべてが労災になるわけではありません。例えば、職場で殴られたとします。仕事上の注意をして、逆切れされて殴られて怪我をしたら労働災害となります。一方、業務とは関連のない例えば、恋愛がらみのトラブルで殴られた場合は、労働災害とはなりません。職場でおきた事でも、業務との関連性がないと労働災害とはなりません。また、通勤災害において、逸脱・中断 きちんと理解しておきましょう。」
「数字は語呂合わせで覚えていきましょう。数字は試験が終わったら忘れてもかまいません。どうせ、頻繁に変わります。」
「一般常識は、最新の白書や法改正等も抑えておきましょう。健康保険・年金関係は、まずは制度を理解しましょう。次にどのような場合に、どのような手続きが必要かを考えながら勉強していきましょう。最後に試験は満点をとる必要はありません。マニアックな問題も出題されますが、あまり惑わされないようにしましょう。」
「では、ここまでで、何か質問はありますか?」と中村が一通り話を終える。
「はい。では、よろしいでしょうか。試験で勉強した知識は実際の業務をやる上で、どのくらい役にたつのでしょうか?」と受講生の1人から質問があった。
「そうですね。業務をやる上で、細かい数値までは覚えておく必要はないですが、例えば社会保険の定時決定や随時改定・労働保険の年度更新の業務をするにあたり、試験勉強で身に着けた知識は必要となります。また、労基法の知識がないと顧問先に適切なアドバイスできません。逆に試験にはでないけど、業務をやる上で必要な知識も多いです。給料の計算をしていると、税金に関する知識も必要となります。また、監督省庁に提出する書類も、どの添付書類が必要かは、実際に業務をしてみないとわからない事が多いです。そういう意味で、社労士は合格後も絶えず、勉強が必要となります。」と中村は答えた。
「社労士の試験に合格したら社労士事務所の就職は有利になりますか?合格したら社労士事務所に勤めてみたいと考えています。」と別の受講生から質問があった。
「そうですね。そもそも、都会ならともかく、地方では、社労士事務所に限定すると求人事体があまりないですね。社労士事務所は、数人規模の事務所がほとんどで、多くても二けたです。事務所の状況にもよりますが、資格がなくても給与計算等の経験があれば採用される人もいます。資格をもっている事が有利になるかどうかは一概にはいえません。勤務しやすい事務所は退職者が滅多にでないので、求人をだす必要がないので、社労士事務所への就職は狭き門となりますね。ですので、今から求人情報をチエックしておきましょう。」
「では、皆さん。今日から、8月の第四日曜日の本試験まで、最後まで諦めずに全力をつくしていきましょう。」と締めくくり、中村は初回の講義を始めた。
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会計人コースの私の独立開業日誌に登壇しました
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