NEWS

お知らせ

2025.01.20

慢性疲労症候群 初診日について

 今回は、線維筋痛症等に係る障害年金の初診日の取扱いについて記載します。
 線維筋痛症、化学物質過敏症、慢性疲労症候群及び重症筋無力症(以下「線維筋痛症等」という。)のような難病の場合、発症直後には確定診断がされず、病院を転々とせざるを得ない事もありますね。
 確定診断がついた以前の病院が初診日であると認められるには、どのような要件をみたす必要があるのでしょうか?令和3年8月24日の厚生労働省から日本年金機構宛への事務連絡が考え方を示しています。
 病名が限定されて示されていますが、他の病気でも確定診断が難しい病気の場合には初診日を考える参考になると思います。

障害年金の初診日(以下「障害年金初診日」という。)については、国民年金法(昭和34年法律第141号)第30条第1項及び厚生年金保険法(昭和29年法律第115号)第47条第1項において、疾病又は負傷及びこれらに起因する疾病(以下「傷病」という。)について初めて医師又は歯科医師の診療を受けた日とされている。
 線維筋痛症、化学物質過敏症、慢性疲労症候群及び重症筋無力症(以下「線維筋痛症等」という。)については、発症直後に確定診断がされない事例が見られることから、その障害年金初診日の取扱いに当たっては、下記の事項に留意の上、遺漏のなきよう取り扱われたい。

国民年金法第30条第1項及び厚生年金保険法第47条第1項の規定に則り、障害の原因となる線維筋痛症等に係る一連の診療のうち、初めて医師又は歯科医師の診療を受けた日を障害年金初診日として取り扱う。

 こうした観点から、線維筋痛症等については、請求者から提出された診断書、受診状況等証明書、病歴・就労状況等申立書等の提出書類(以下「提出書類」という。)の審査等を通じて、請求者が申し立てた初診日(以下「申立初診日」という。)における診療と線維筋痛症等との間の関連性の有無を判断し、申立初診日における診療が線維筋痛症等に係る一連の診療のうち初めての診療であると認められる場合には、申立初診日を障害年金初診日として取り扱うものとする。

請求者から提出された提出書類の審査等の結果、①から③までのいずれにも該当する場合は、線維筋痛症等に係る申立初診日を障害年金初診日として取り扱うことができるものとする。
 なお、当該場合以外の場合であっても、個別事例ごとの事情に応じて、提出書類の内容等を総合的に考慮した結果、申立初診日における診療が線維筋痛症等に係る一連の診療のうち初めての診療であると認められる場合には、申立初診日を障害年金初診日として取り扱うものとする。

① 申立初診日に係る医療機関が作成した診断書又は受診状況等証明書の記載内容から、申立初診日において、請求者が線維筋痛症等の症状に係る診療を受けていたものと認められること。例えば、申立初診日に係る医療機関が作成した診断書又は受診状況等証明書の記載内容から、線維筋痛症に係る申立初診日において、請求者が身体の広範囲に及ぶ慢性疼痛について診療を受けていたものと認められる場合や、重症筋無力症に係る申立初診日において、請求者が眼瞼下垂又は複視について診療を受けていたものと認められる場合などが該当すること。

② 線維筋痛症等に係る確定診断を行った医療機関が作成した診断書(確定診断に基づき他の医療機関が作成した診断書を含む。)において、申立初診日が線維筋痛症等のため初めて医師の診療を受けた日として記載されていること。

③ 発症直後に確定診断が行われなかった理由に関する申立てが行われていること。なお、提出書類の記載等から、線維筋痛症等に関連する医療機関への受診について未継続の期間が確認される場合にあっては、当該未継続期間において、線維筋痛症等の症状が継続している旨の申立てが行われていること。また、当該未継続期間が6ヶ月を超える期間となる場合にあっては、診断書等の医療機関が作成する書類の記載内容から、当該未継続期間において、線維筋痛症等の症状が継続しているものと認められるものであること。

請求者が障害年金初診日を明らかにすることができる書類を添えることができない場合については、「障害年金の初診日を明らかにすることができる書類を添えることができない場合の取扱いについて」(平成27年9月28日年管発0928第6号)に基づき、第三者証明、参考資料等を活用しつつ、障害年金初診日に係る審査を行う。 とあります。
令和3年8月24日の厚生労働省から日本年金機構宛への事務連絡 より


 まとめると、

  1. その当時から、その病気の症状があったと認められる。
  2. 確定診断をした医師がその当時が初診日であると認めている。
  3. その当時から確定診断までその症状が継続している。

の要件を満たせば、確定診断をうけた病院ではなく、それ以前に病院を受診した日が初診日と認められる可能性があるという事です。 
 該当しそうな場合は、受診した病院のカルテ等に、その病気を示す症状は記載されていないか(例 強い疲労・身体の広範囲に及ぶ慢性疼痛等)、また、確定診断をした医師にもご意見を伺いながら、初診日の申し立てを検討していきましょう。


遠方(全国)でも、対応いたします。
会計人コースの私の独立開業日誌に登壇しました
X(旧)Twitterでも情報発信しております。