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2024.12.16

神経症では、認定されないのか

 今回は、神経症や人格障害と診断された場合について記載します。障害年金の認定基準によると、強迫性障害やパニック障害などのいわゆる神経症や、人格障害(パーソナリティ障害)は、原則として障害年金の対象とならないとされています。
 診断書に、ICD-10コードがF4または、F6の傷病名のみが記載されていた場合は、注意が必要です。窓口でも、「このままでは認定されないので、医師にもう一度傷病名を確認してほしい。」と指摘されます。

障害年金の認定に使用されているICD-10(国際疾病分類)によると、いわゆる神経症として認定対象外とされている疾患は、おおむね次のとおりです。ICD-10(国際疾病分類)ではF4と記載されます。

  • 恐怖症性不安障害(広場恐怖症、社会恐怖症など)
  • 他の不安障害(パニック障害、全般性不安障害など)
  • 強迫性障害 ・重度ストレス反応(心的外傷後ストレス障害、適応障害など)
  • 解離性(転換性)障害
  • 身体表現性障害
  • 摂食障害

ICD-10 精神および行動の障害について

神経症の場合は、その症状が長期間持続し一見重症なものであっても、原則として認定の対象とならない。ただし、その臨床症状から判断して精神病の病態を示しているものについては、統合失調症又は気分(感情)障害に準じて取り扱う。とされています。
 この「精神病の病態を示している」とは、一体なにをさすのでしょうか。ICD-10でいうF2(統合失調症など)やF3(気分障害など)の病状がある場合と考えられています。

  原則として、F4のみの傷病名では認定の対象とせず、神経症の他に、うつ病や統合失調症の症状もあると診断書に記載されていると認定の対象とするという立場を年金機構はとっています。
強迫性障害やパニック障害など神経症の診断を受けている場合、まずは主治医に、他の疾患の症状がないか相談してみましょう。
 その上で、統合失調症やうつ病の症状がある場合には、診断書の傷病名に併記してもらうか、備考欄にその病態とICD-10コードを記入してもらいましょう。
 また、病歴・就労状況等申立書には、神経症や人格障害による症状だけでなく、統合失調症や気分障害などによる症状も、しっかり記入しましょう。 

神経症の症状のみの場合は、重症でも障害年金の認定の対象にならないのでしょうか?審査請求等では、神経症のみでも認定されたケースが非常にまれですがあります。
 平成27年10月30日採決では、「妄想性障害には該当しないが、強迫性障害の症状の重症度において、精神病水準の病態にあるものと診断している。」という医師の回答を根拠に認定されています。
https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/shinsa/syakai/dl/05-h27-06-a2_2-29.pdf

疾患名のみで認定の対象外とされるのは納得いかない思いがありますが、なんとか認定されるような申し立てができないか検討してみましょう。



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