NEWS

お知らせ

2024.09.24

未支給年金について

 今回は、年金(老齢・遺族・障害)を受給していた方が亡くなった場合に、遺族が請求する未支給年金という制度について説明します。

 年金は、偶数月の15日(15日が土日祝日の場合はその前日以前の平日)にその月の前月と、前々月の2ケ月分が支払われます。
 例えば、6月に亡くなった場合は、4月・5月分が6月に振り込まれます。6月分が未支給年金となります。1日に亡くなっても、月末に亡くなっても、亡くなった月の分まで支給されます。未支給年金は、故人の最後の年金を受けとる人を確定する意味があります。

未支給年金を請求できる請求権者は、受給権者(故人)の死亡の当時、その者と生計を同じくしていた

  1. 配偶者
  2. 父母
  3. 祖父母
  4. 兄弟姉妹 
  5. ①から⑥以外の3親等内の親族

となります。
 ここで、「生計同一」の意味ですが、「一つの家の中で日常生活を共にし、生活上の家計を同じにしている状態」の事を言います。住民票上、住所が同一であれば、世帯が別であっても「生計同一」とみなされます。

 請求者と、故人の住民票上の住所が異なる場合は、「生計同一関係に関する申立書」という書類に仔細を記入していく必要があります。「別居していた理由」、「経済的援助の実績」「定期的な音信・訪問の実態」を記載します。

 経済的援助の実績は、必ず記入する必要があります。これが記載できないと、受付けられません。定期的に仕送りをしていた。施設や病院等に見舞いや日用品を購入して、持参した。葬儀費用等を支払ったというような事を記入します。
 配偶者の場合(事実婚・住民票が別だった場合等)は、経済的援助には、定期的な仕送りや、光熱費のように生活に必要な固定費を払っていたという点を記載します。

 定期的な音信・訪問の実態も、具体的に記載しましょう。月・週に何回程度で、面会にいっていた。住居に行き、掃除や買い物の手伝いをしていた等を、記載します。

 記入した内容を、証明するために「第三者証明」を記入してもらいます「第三者」とは、民生委員、病院長、施設長、事業主、隣人等をいいます。施設等の場合は法人印ではなく、個人名が必要です。
 また、受給権者、生計同一認定対象者の、民法上の三親等内の親族は記入できません。よって、両親の未支給年金を請求する場合、配偶者や、兄弟に記入してもらう事はできません。
 甥・姪・叔父・叔母も、記入できません。以下の書類により、生計同一関係を証明できた場合は、第三者証明は省略できます。

  • 健康保険の被保険者証の写し(健康保険の被扶養者になっていた場合)
  • 給与簿、賃金台帳等の写し(給与計算上、給与手当の対象になっていた場合)
  • 源泉徴収票、課税台帳等の写し(税法上の扶養親族になっていた場合)
  • 預金通帳、振り込み明細書、等の写し(定期的送金があった場合)


 特別支給の老齢厚生年金のみの受給で亡くなった場合は、国民年金の死亡一時金が支給される場合があります。また故人が請求していない年金も、遺族が請求し未支給年金として支給される事になります。請求もれがないか、窓口で確認しましょう。

 窓口で、故人の年金加入記録について確認されます。統合されていない記録が見つかる事もあります。記録を統合することで、故人の年金額が増えたら、未支給年金として支給されます。未支給年金は、相続税の対象にはなりませんが、50万を超える場合は、確定申告が必要となる事があります。詳しくは、税務署に確認しましょう。

 未支給年金は、相続財産として扱われません。よって未支給年金の手続きは、他の相続人の同意は必要ありません。日本年金機構としては、手続きをした方にお支払いし、故人の年金の清算は終了したものとみなします。但し、未支給年金の手続きのタイミングでは、故人の通帳に振り込まれる事があります。

 確実にご自身の通帳に振り込まれるためには、金融機関に連絡して、故人の通帳を凍結する必要があります。但し、金融機関によっては、口座が凍結されても、入金がなされる場合もあるので、金融機関に確認しましょう。故人の通帳に振り込まれても、未支給年金の手続きをしていれば、返還請求等の問題はありません。

 令和2年10月26日から、被相続人の死亡に起因する年金等手続き (遺族年金、未支給年金、死亡一時金等の請求に係る手続き)において、故人との身分関係等を証する添付書類の一つとして、 「法定相続情報一覧図の写し」を、戸籍謄本の代わりに提出する事ができるようになりました。法定相続情報証明制度」は法務局で作成します。相続における様々な手続きに使用するので、作成すると便利です。
参照 未支給年金お手続きガイド

遠方(全国)でも、対応いたします。
X(旧)Twitterでも情報発信しております。