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お知らせ
2023.06.27
繰り上げ請求をした場合、障害年金は申請できるのか
今回は、60歳を過ぎて老齢基礎年金を繰り上げ受給した場合、その後、障害年金の請求は可能かという点について記載します。
そもそも、「老齢年金を繰り上げ請求する」とは、「65歳に達している者と同様の扱いを受ける。」ということになります。よって、
- 事後重症請求や基準障害(初めて2級)の請求はできません。つまり、以前から病気があり、症状が悪化したから申請したいという事はできません。
- 初診日が被保険者中(厚生年金加入中、又は国民年金の任意加入中)であれば、障害認定日請求は可能です。
- 初診日が被保険者中にない場合は、初診日・障害認定日が両方とも、老齢年金の繰り上げ請求する以前であれば、障害認定日請求は可能です。
以下具体的に見ていきます。
60歳前の国民年金加入中に初診日がある場合は、老齢基礎年金繰り上げ後に、障害認定日請求をすることができます。
また、60歳以降に国民年金に、任意加入中に初診日がある場合も、老齢基礎年金繰り上げ後に、障害認定日請求をすることが可能です。同じく、60歳以降も会社員(厚生年金加入中)で、在職中に初診日があれば、老齢基礎年金繰り上げ受給中でも、障害認定日請求をすることができます。
初診日に被保険者でない場合は、障害認定日より後に、老齢基礎年金を繰り上げた場合のみ、障害認定日請求が可能です。つまり、初診日(初めて病院を受診した日)から1年6月経過以後に、繰り上げの請求をしている場合のみ可能です。初診日の前に繰り上げ受給の手続きをしていると、認定日請求はできません。
障害年金の申請が難しいのでご自身の老齢年金を繰り上げ受給するか、お悩みの場合は、あらかじめ年金事務所にて、繰り上げ請求した場合の年金額を試算してもらい検討しましょう。
65歳前に障害年金の受給権が発生した場合は、障害年金と老齢年金の選択になり、どちらか有利な方を選択する事になります。
なお、3級の障害厚生年金を受けていた場合でも、基礎年金を繰上げ受給すると、2級以上(障害基礎年金)に該当したことのない3級の障害厚生年金の改定請求はできませんので、3級の障害厚生年金を受給されている方も、老齢基礎年金の繰り上げ請求は、慎重に検討する必要があります。
年金の繰り上げ請求を検討する時点では、障害がない方でも、その後事故や病気で、障害を負う事がありますので、繰り上げ請求をする場合は、その点をリスクとして、考慮しておきましょう。