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2025.10.27

障害年金を請求する上で金銭的なデメリットがある場合

今回は、障害年金を請求する上で、金銭的なデメリットがある場合について記載します。
 
傷病手当金との調整がある
 
健康保険に加入されている方は、業務外の傷病により就労できない時は傷病手当金が支給されます。原則、障害年金と傷病手当金を併給する場合、傷病手当金が障害年金の金額の範囲で減額調整されることになります。但し、傷病手当金と障害年金が別の傷病で支給されている場合は、減額調整されません。また、初診日が国民年金であって障害基礎年金の受給と傷病手当金は同一傷病であっても減額調整されません。ご加入の健康保険協会等に確認しましょう。
とはいえ、障害年金の請求をして、実際に障害年金が受給できるまで、5カ月程度はかかります。その点も考慮して障害年金の請求の準備をしましょう。
 
国民年金の法定免除を申請した場合、65歳以降に支給される老齢基礎年金が低額になる
 
障害基礎年金、障害厚生年金(1、2級)の受給権を取得すると国民年金の法定免除の免除事由に該当します。保険料免除期間は滞納にはなりませんが、「保険料を納付していない期間」になりますので、免除期間の、将来の老齢基礎年金額は、年金を納めた場合の2分の1となります。現在、平成26年4月以降の法定免除期間について、本人の申出した期間の保険料を納付できます。将来、症状が改善して、障害年金を受給できなくなる可能性がある場合は、検討しましょう。
 
生活保護との調整がある
 
障害年金を受給すると、生活保護費が障害年金の金額の範囲で減額されます。但し、2級以上の障害年金を受給する事により、生活保護に加算が付く事もあります。詳しくは自治体の担当部署に確認しましょう。
 
死亡一時金・寡婦年金がもらえない 
 
死亡一時金は、故人が国民年金に加入していて、老齢年金等を受給せずに亡くなった場合、要件を満たせば、遺族が一時金で受け取れる制度です。寡婦年金は、国民年金に加入していた夫を亡くした妻が60歳から65歳の期間に受給できる制度です。どちらも故人が障害基礎年金を受給していたら、支給されません。
 
社会保険(健康保険・厚生年金)の扶養から外れる可能性がある
 
通常、収入が130万円以上又は、扶養者の年収の2分の1以上になると世帯主の社会保険の扶養から外れてしまいますが、障害年金を受給している場合は、この上限が180万円になります。障害年金は非課税ですが、社会保険の扶養判定時には収入とみなされます。障害年金と他の収入が180万円以上又は扶養者の年収の2分の1以上になる場合は扶養から外れ、健康保険と国民年金の保険料を自分で負担する必要があります。扶養の要件に関しては、ご加入の健保協会等に確認しましょう。
 
配偶者が、老齢年金の加給年金がもらえない
 
障害年金を受給している場合、配偶者の加給年金は支給停止されます。
 
児童扶養手当が減額される
 
児童扶養手当は、ひとり親家庭や、父または母に重度の障害がある家庭を対象に支給される手当です。子どもの年齢が18歳に達する日以降の最初の3月31日までにあること(高校卒業まで)、または20歳未満で一定程度以上の障害があることが要件となります。
障害年金1・2級を受給する場合、児童扶養手当の額が障害年金の子の加算部分の額を上回る場合には、その差額が児童扶養手当として支給されます。
障害厚生年金3級を受給する場合に、児童扶養手当より障害厚生年金の総支給額の方が大きい場合は、児童扶養手当は支給されません。一方、児童扶養手当より障害厚生年金の総支給額の方が小さい場合には、その差額が児童扶養手当として支給されます。障害等級が3級の場合は、障害年金を受給する金銭的なメリットがない場合があります。
 
以上の点も考慮して障害年金の請求をしましょう。
 
 
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