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お知らせ
2026.08.17
社労士のひとり言
とある日の昼下がり、社労士の石山に関与先の企業の社長の尾崎から相談があった。
「先生、実は、2週間ほど前に、仕事に復帰すると、ご報告した3ヶ月間メンタル疾患で休職していた従業員の山口ですが、予定通りに仕事に復帰したものの、この2週間、勤務時間中に何度も居眠りをする。電話応対もスムーズにできない。等々問題があって・・・元々は、真面目な方だったので、病気が原因だというのは分かっていますが、他の従業員も困っているのです。客観的にみて、しばらくフルタイムでの勤務は無理だと思いますが、何かよい方法はあるのでしょうか?どうしたらいいのでしょうか。」
「そうですか。確か面談では「ご本人も大丈夫です。医師も問題ないといってくれました。」との事でしたよね。」
前回の尾崎からの報告を思いだしながら石山はいった。
「そうなんですよ。だから大丈夫だろうと思っていたのですけどね。うーん。メンタル疾患という事で、不安がないわけではなかったのですが、本人が大丈夫というのを、疑う姿勢を見せるのも、どうかなあ?と思い、本人の大丈夫を信じる事にして復職を認めましたが、だめな事もあるんですね。」
「そうですね。まずは、具体的に問題な点をご本人に指摘して、このままでは、あなたは、再度症状が悪化する可能性もあるのではないか。会社としても心配している旨を伝えてみてはどうでしょうか。 その上で、今後、どうするかを話し合われたら、お互い冷静に話せると思います。まあ、上手くいっていない事は、ご本人も認識されていると思いますよ。」と石山が、アドバイスした。
「わかりました。そうですね。こちらとしては、しばらく時短勤務でお願いしたいと考えています。うーん。中々言いにくい話になりますが、伝え方を工夫するようにします。」
「そうですね。では、時短勤務をしてもらい、1月ごとで、様子を見ながらフルタイムに復帰していくというやり方がいいと思います。」
「もう一点お伺いしたいのですが、時短勤務の場合、給与は、減額せずに支払う必要があるのでしょうか?」と尾崎が聞いた。
「労働時間が短縮された場合は、その分は給与を減額する事は問題ありません。もちろん、収入に直結する問題なので、ご本人に新たに雇用契約書を明示して、きちんと説明する必要はあります。症状が治ってきたら、元に戻すという点も、ご本人に納得して頂くには重要ですね。」と石山が答えた。
石山は、答えながら、ふと、そういえば、このような場合、働いている以上傷病手当のように、収入を補填する公的な制度はないなあと思った。
「なるほど。わかりました。具体的に検討してみます。後で雇用契約書の概要を送るので、先生も確認してもらえますか。」
「わかりました。確認いたします。」と石山は答えてその日の尾崎との電話は終わった。
数日後、尾崎から送られてきた資料をもとに、石山は、あらたな雇用契約書を作成した。
時給単位での給与は、社長の尾崎と相談して、以前と変わらないように設定した。また、1月ごとに見直していく点を強調する事にした。
「助かります。これを基に山口さんと、きちんと話し合ってみます。まあ、中々、ご本人には言いにくい話になりますが、何とか受け入れてもらえるように説明してみます。」
と尾崎からさっそく連絡があった。
その後、尾崎と山口で話会いが持たれ、まずは、一日5時間からの時短勤務をする事になった。
1ヶ月ほどたって、順調なので、1日7時間に勤務時間を延ばしてみるという連絡が尾崎からあった。
「何とか目途がたってよかったですね。」と石山もほっとした。
「先生。もし、今後、また、同じような事があったらどうしたらいいのしょうか?できないのに、無理をしたままだと、周囲もご本人も辛い思いをしてしまいます。」
「そうですね。そもそも、日常生活がきちんとできるまで回復した。というのと、フルタイムで働けるというのには、実際には大きな差があると思います。仕事では、昼寝をする、疲れたから休憩という訳にはいかないですから。ですから、ご本人が、大丈夫だろうと思っていても、想定外に疲弊してしまう。以前のようにできないという事が起こり得ると思います。ですので、やはりフルタイムの方が復職するにあたっては、いきなりフルタイムでの復帰ではなく、最初は時短勤務や、通常業務より軽い業務のみにする等から初めて、徐々に以前と同じような仕事に復帰してもらうのが無難だと思います。会社としては、時短勤務等、今後にむけて、就業規則の整備も必要になりますね。後は、休職中から、ご本人が負担に思わない範囲で、定期的に電話やメールでもいいので、状況を聞き取る事にしましょう。可能ならご家族とも話してみましょう。休職中も、ご本人と連絡をとる事で、ご本人の状況をより把握できると思います。また、最近は、リワークを実施している医療機関等もあるので、リワークを利用されている場合は、リワークの状況についても聞いてみた方がいいと思います。休職中から、ご本人と連絡を取る事で、より正確な状況が把握できると思います。」
と私見をまじえならが、石山が答える。
「リワークとは何ですか?初めて聞きました。」と尾崎がいった。
「リワークとは、うつ病などで休職・離職した人が職場復帰するためのリハビリ・支援プログラムの事をいいます。最終的には、再発を防ぎながら復職・再就職を目指す取り組みの事です。現在は、医療機関や公的機関のデイケア・職場復帰支援事業などで実施されていますね。」と石山は答えた。
「そうですか。近年、メンタル疾患が増えていると言われていますが、そのような取り組みもあるんですね。経営者としてもいろいろ、知らないといけない事がありますね。」と尾崎はいった。
「そうですね。再来年から50人未満の事業所でも、ストレスチェック制度の導入の義務化もはじまります。早めに従業員さんの問題に気付いて対処するのも、会社として大事になりますね。」と石山は答えた。
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