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2024.05.08

ライトノベル19

 今年開業したばかりの社労士の遠山は、開業5年未満の社労士仲間と飲む機会があった。そこでの話題は、顧客開拓になった。
 「まずは、知り合いや親戚に名刺を渡すことをしたよ。しかし、雇ってという人はいたけど、今のところ仕事に繋がったことはないです。皆さんはどうですか」と遠山はいう。
 「私は親戚が会社を始めた時に契約してもらった事があるよ。知り合い関係はそれくらいかな。うん。雇ってはよくいわれるね。早く人を雇えるぐらいになりたいです。」と開業1年目の綾部がいう。
 「そうねえ。商工会とか、ライオンズクラブのような団体に所属して活動をしていると、誰かしら仕事をくれるよ。但し、先輩が既にしっかり入っている場合もあり、その時は厳しいと思う。ちなみに某クラブは先輩がしっかり入っているよ。」と開業2年目の宮下がいう。
 「それはよく聞くね。入って活動するといろいろ人脈もできて、勉強になるとは思う。」と開業1年目の山本がいう。
 「自分は開業直後、暇すぎて、飛び込み営業をしたよ。飛び込み営業は効率悪いと思われているけど、ごくたまにうまくいって、今でも顧客になってくれているよ。」と開業3年目の岩永がいう。
 「すごい。自分はさすがに飛び込み営業をする度胸はないけど、DMなら送っているよ。100件中1件程度は反応があるね。確かに確率は低いけど、そこからご縁ができることはあるね。」と宮下がいう。
 「ところで、ホームページはあった方がいい?そもそも自分で作れるの?」と山本がみんなに聞く。
 「自分はまだ、顧客層や得意分野といえるものも決まっていないから、そういうのが、見えてきてからでいいかなと思っている。」と開業2年目の益田がいう。
「ホームページ自分で作ったよ。でも全然反応ないね。検索して上位にこないと問い合わせもないね。たまに検索上位になるようにしませんか?という営業電話がくるくらいだよ。今のところ、名刺にホームページを記載できるのがメリットかな?お客さんを紹介してもらうにもホームページがあった方がいいしね。」と遠山がいう。
 「私のところにも営業電話くるよ。いろんな業者があるね。私は、ホームページ作るのは、知り合いの会社に頼んだよ。掲載する内容や文章は自分で考える必要はあるけどね。料金は分量によるみたい。その後、契約すると、セキュリティー対策もしてもらえるよ。」と綾部がいう。
 「但し、ホームページで検索上位になるには、業者に頼まなければ、自分で、まめにお知らせ等を更新する。SNSで発信してホームページを見てもらうようにする等、地道に対策していく必要があるね。私のホームページも、数年たって、徐々に検索上位になってきているよ。」と綾部がいう。
 「綾部さん。SNSやっているの?やり方教えて。」と遠山が聞く。
 「Facebookとかツイッター、いろいろあるけど、登録したら無料で始められるよ。但し、ツイッターやFacebookは、毎日発信する・こちらからフォローするなどしないと、有名人でない限り見てもらえないね。」と綾部が自身のFacebookをみせる。「フォロワーが1000人いるのはすごいね。」と遠山は驚く。
 「開業前から初めて、10年しているから。SNSの内容をみての問い合わせはたまにあるよ。意外にみている人はいるね。遠方でもパソコンがあれば、直接対面しなくても仕事の依頼をうけられるからいいよ。」と綾部はいう。
 「そういえば、ツイッターは、時々みるために登録しているけど、何もしていないからフォロワーもほとんどいないよ。本格的に社労士として発信してみようかな。」と宮下がいう。
 「おもしろそう。でも、どんな事をSNSで発信すればいいの?」と山本が聞く。
 「私は労働問題や法改正の話とか、そういう情報だけでなく、趣味とか日常の事とかも発信しているよ。付き合いのある人に自分のアカウント教えるけど、趣味の話とかで話題作りにもなるよ。」
 「僕は匿名で社労士というのだけ分かる形で、ツイッターしているよ。自分の場合集客目的ではなく、他の社労士の考えや情報をえるためにしているよ。結構判例とか最新の法改正情報は勉強になるよ」と益田がいう。
 「え、ツイッターでそんな情報が流れてくるの?」と宮下はいう。
 「ツイッターの情報は誰をフォローするかだよ。厚生労働省とか日本年金機構も最新情報を提供しているし、まあ、正確性とかはいろいろあるけど、社労士ならある程度知識があるのでわかるよ。」と益田がいう。
 「なるほど。誰をフォローするかは大事か。メモメモ。」と山本がいう。
 「意外に大事なのは仕事の依頼は急にくるから、準備しておくことだね。急にハラスメントについて話してほしいという依頼があったから、暇な時にレジュメ作っていて役にたったよ。」と山本は言った。
 やれる事はまだまだありそうだと皆の話を聞いて、遠山は思った。


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