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2025.11.10

カスタマーハラスメントについて

今回はカスタマーハラスメントについて記載します。

令和5年9月1日からカスタマーハラスメントによる精神疾患が発生した場合、一定の要件に該当すれば、労災と認定されるようになりました。

https://www.mhlw.go.jp/content/11201000/001140928.pdf

 

顧客に対応する従業員にとってカスタマーハラスメントは、身体的、精神的に大きなストレスとなります。カスタマーハラスメントの問題を放置していると、下記のような、対応する従業員だけでなく、企業にとっても様々なリスクが生じる恐れがあります。

 

従業員の精神的・健康面での悪影響

現場に居合わせた顧客・他の従業員への悪影響

従業員の休職、退職

従業員が定着しない 

ネガティブな評判がたち事業に不利益となる。

 

企業は、従業員が安全、健康に働くことができるよう配慮する義務(安全配慮義務)を負っています(労働契約法第5条)。よって、カスタマーハラスメントに対して適切な措置を講じなければ、被害を受けた従業員から責任を追及される可能性があります。

 

過去の判例で、校長が保護者からの理不尽な言動を受けていた担当教諭を守らず、担当教諭に対し、一方的に保護者に謝罪を要求したこと等が、パワハラにあたるとして損害賠償された事案もあります。

(甲府地裁2018年11月13日判決)

 

このように、カスタマーハラスメントがあった時に適切な対応をしないと、企業としても責任を問われる事もあります。また、カスタマーハラスメント対策の強化が改正労働施策総合推進法別に盛り込まれ、法律の公布日(令和7年6月11日から1年6か月以内)に施行予定です。カスタマーハラスメントに係る国・事業主の責務に加えて、労働者や顧客等の責務も定められていきます。

では企業としてカスタマーハラスメントに対してどのような対応をしていけばいいのでしょうか?

 

まず、カスタマーハラスメントの定義は「顧客等からのクレーム・言動のうち、当該クレーム・言動の要求の内容の妥当性に照らして、当該要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当なものであって、当該手段・態様により、労働者の就業環境が害されるもの」

とされています。正当なクレームかカスタマーハラスメントであるかは、個別の状況により総合的に判断される事になります。

最近の問題として、「SNSに投稿するぞ。」というのも強迫になりえます。顧客がSNSで従業員のプライバシーを晒す等の問題もあります。

日頃の対策として、企業としてカスタマーハラスメントから従業員を守る姿勢を明確に示す必要があります。さらに、相談体制や対応マニュアルを整えて従業員に周知しましょう。

トラブルがあった時、従業員が1人で対応して、精神的に疲弊してしまう。という事がないようにしましょう。

また、研修や朝礼等で日頃からカスタマーハラスメントの事例や対応のノウハウを共有して、企業全体としての、カスタマーハラスメントに対する対応力を高める努力も必要だと思います。

従業員を守るために、長時間の居座り・暴言・暴力等の悪質なケースは警察に相談する等毅然とした対応とする事も重要です。

 

https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000915233.pdf

参照 カスタマーハラスメント対策企業マニュアルより

 

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https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784502526510