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2024.06.24

社会的治癒について

今回は、社会的治癒について記載します。社会的治癒とは、例えば、10年程前にうつ病で治療をうけていたが、その後、症状が安定したので、長く通院していなかった。
 その後、3年程前に再発し、再び治療をはじめたという場合、社会的治癒を、障害年金の請求者が申し立てれば、初診日は、最初の10年程前ではなく、3年程前の再発時の病院受診日が、初診日と認められる制度の事をいいます。

 社会的治癒は、最初が初診日なら保険料の未納期間となってしまう、最初が初診日なら障害基礎年金での請求となるが、再発時が初診なら、障害厚生年金で請求できる。そのような場合に申し立てます。
 概ね、5年以上、治療をうけずに、普通に生活又は就労していることが、社会的治癒の条件とされています。
 社会的治癒と認められるには、治療を行う必要がない状態が継続していた事を証明する必要があります。原則、薬での治療で安定しているという場合は、社会的治癒とは認められません。また、症状は続いていたが、自己判断で通院をしていなかった場合も認められません。経過観察や再発予防で通院している場合は、社会的治癒と認められる場合もあります。
 また、就労や、家事などがスムーズに行われており、社会生活に支障をきたさない状態が一定期間続いていた事を証明する必要もあります。

 社会的治癒は、申し立てれば、必ず認められるものではありません。社会的治癒を申し立てる場合は、医師の証言、当時の勤怠の記録、資格取得の証明、学生なら単位や成績の証明、友人や職場の同僚等(家族は不可)の、問題なく社会活動をしていた旨の証言、健康保険の記録等で、受診歴がない等、可能な限り資料を集めて、社会的治癒を申し立てましょう。
 また、病歴就労状況等 申立書にも、最初の病院から、治療の中断期間の状況を丁寧に記載していきましょう。

参考 平成26年(厚)第892号 平成27年9月30日裁決
 再審査請求において、海外勤務をこなしていた等の事実から社会的治癒を認めた案件です。

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